【転職者必見】歯科衛生士の適正年収を調べることができる具体的な方法

 

    

歯科衛生士A「現在、転職を考えているんだけれども、今の年収が相場に合っているかどうか不安。」「私の経験年数でだいたいどのくらいの年収が一般的なのかわからない。」「年収比較するときに、注意するポイントも教えて欲しい」

 

そんな疑問にお答えします。

 

✔️ 本記事の内容

1.歯科衛生士の経験年数に応じた、年収の調べ方。

2.現在の年収と転職先の年収を比較するときに大切なこと。

 

 

私は、歯科業界特化型エージェントとして15年。1000名以上の院長や仕事を探している歯科医師、歯科衛生士の相談を受けてきました。その中には、新卒のからベテランの方、フリーランスとして活躍する歯科衛生士の方など、さまざまなキャリアの方がいらっしゃいます。

 

給与の決め方については、千差万別。クリニックによって大きく変わります。

例えば、人事評価を作り給与テーブルを作り、自身のグレード(階級)と役職、できることの内容によって具体的に給与が設定されているケースがあります。

ただ、多くのクリニックは、院長先生が昇給月になると今までのクリニックへの貢献度、どのくらい頑張ってきたのか、クレームが出ていないかどうか、というのをイメージし、「感情のまま」に作成するとことがほとんどでしょう。

そんな評価で決まった年収が果たして、一般的に見て「適正」でしょうか?

しっかりとしたデータに基づいて客観的に判断していく必要があります。
ただし、「認定衛生士を取ったら10000円UP」というのがはっきりしないのが年収の難しいところ。

そこで今回は、「歯科衛生士の適正年収の調べ方」をわかりやすく解説していきます。

これは、私が転職エージェントとして相談を受けた際に実践する方法なので、簡単で必ず役に立ちます。

転職で「給与面で揉めたくない。正しく評価されて、気持ちよく新しい職場で働きたい!」っていう方は、ぜひご覧ください。

 

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さて、進めていきましょう。

1.自分の歯科衛生士の経験年数に応じた、平均的な年収の調べ方

 

次のとおり。

①厚生労働省のデータでは、約370万円(令和元年)
②就職する地域の新卒の月給水準を調べる
③経験者は『月収=新卒給与+5000円×経験年数』
④賞与年間2〜3ヶ月が一般的

 厚生労働省のデータでは、約370万円(令和元年)

厚生労働省が発表している令和元年の賃金構造基本統計調査では、歯科衛生士の平均月収は26.87万円。年間賞与額が48.04万円となっています。これを年収として計算すると37,048,000円。約370万円となります。

「えっ、そのぐらいなの?うちのクリニックの先輩歯科衛生士はもっともらってるよ?」

という声も出てくるかもしれません。

もちろん、このデータは、新卒から大ベテランまで合わせた平均ですので、さらに実質にあった数値が必要ですので、準備をしていきましょう。

②就職する地域の新卒の月給水準を調べる

『就職する都道府県の新卒月給水準』を求人サイトで調べてみましょう。

 

歯科衛生士の給与は就職する地域で大きく変わります。やはり、都市部になればなるほど、給与が高く設定され、地方に行けば行くほど、給与は低くなる傾向にあります。

これは、歯科衛生士不足による、採用市場の影響です。

クリニックの数は都市部ほど多く存在します。クリニックの数が増えれば、それだけその地域の歯科衛生士の採用ニーズは高まります。そうすると、「近隣のクリニックよりも少しでも給与を高くして、採用しやすいように・・・」という心理が働き、全体の給与相場を上げていくことになるのです。

実際に当社調べによると、大阪の新卒歯科衛生士の平均給与は約24万円 徳島県の歯科衛生士の平均給与は約18万円、その差6万円もあります。歯科衛生士専門学校在学中の学生に、就職活動についてのインタビューをすると、

「地元より大阪の方が給与が高いので、就職先を大阪にしました」

「一人暮らしで家賃を払っても、地元での給与より高くなるので都会での就職を考えました。」

という声も聞かれました。

 

③経験者は『月給=新卒給与+5000円×経験年数』

経験者の月給計算は『新卒給与+経験年数×5,000円』で計算すると、目安が出てきます。

当社で関わっている多くのクリニックは、3,000円〜10,000円の間で定期昇級しています。その中でも『年1回5,000円』と設定しているクリニックが一番多い傾向にありました。ちなみに、この昇給金額はクリニックの規模が大きくなるほど昇級金額幅は小さくなる傾向にあります。また、経験10年程度を境に、定期昇給がストップするクリニックもあります。定期昇給がない代わりに、チーフ手当・役職手当などで月給が上がるような仕組みを作りをしています。キャリアが10年以上超える方は注意しましょう。

④賞与年間2〜3ヶ月が一般的

賞与のルールはクリニックによって変わります。ただ、歯科業界での一般的な通例として、基本給の2〜3ヶ月分/年とされているところが大半でしょう。基本給については各クリニックによりルールが違います。平均して賞与金額に直すと、年間40万〜80万くらいになります。

ちなみに、「基本給が高いところは賞与が高い」というわけではありません。基本給を高くして、賞与の○ヶ月分を少なくしているケースもあれば、その逆もあるわけです。

40〜80万円というところを目安にして、在籍しているクリニックの賞与と相場と比較してどうなのかをチェックしましょう。

目安の月収・賞与がわかったら・・・?

以上の内容を調べれば、あなたの経験値にあったおおよその年収が出てくるはずです。今回は、あくまでも正社員で休むことなく勤務された方の年収の計算の仕方です。ただ、女性が90%以上の職種なので、妊娠・出産でブランクがある方、家庭に入り、経験年数ほどのスキルがないといった方もいらっしゃると思います。そういった方は、経験年数から見た給与を参考に「経験年数から言ったら、適正年収350万円くらいだけど、ブランクがあるから3年くらいの年収が適正かな」など適正年収を基に現状の給与を計算してみてください。

 

 

2.現在の年収と比較するときに大切なこと。

適正年収が計算できたら、あとは、ご自身の給与明細を出してきて比較してみましょう!ただ、比較するにしても、同じ条件下で比較しなければ、比較になりません。2点ほど注意して比較をしましょう!

 

①転職時の給与比較は、入社時初年度年収ではなく、賞与満額出た場合の年収で比較

年収比較の時は、『入社時、初年度年収』ではなく、『賞与が満額出た場合の年収』で比較するようにしましょう。

転職活動をすると、年収に大きく差が出てくるのは『賞与』。転職組は最初の賞与支給は対象とならないケースがほとんど。

例えば、現在勤務しているクリニックが、月給25万円・賞与年50万円支給なら年収350万円。内定先で提示さえた条件が月給27万円で賞与は2年目から支給です。となると、内定先の初年度年収は324万円です。

賞与については、必ず支給されるものではありません。時期、回数、支給金額についてもクリニック独自のルールがあります。ご自身の思っている支給ルールが「当たり前」だと思わないようにしてください。せっかく評価されているにもかかわらず、給与交渉で揉めてしまうことがあります。ぜひ面接時に話を聞いてみましょう。

②手取り給与で比較しない。変動する残業手当・通勤手当は比較する年収の中に入れない。

給与明細でみるのは『総支給額が○○万円、手取りが○○万円』しか見ていませんよね?当然、通勤手当や変動する残業手当については、住まいやアクセス、繁忙期、閑散期により変わってきます。

また、給与からは必ず、所得税などの税金が控除(引かれる)されています。引かれる金額は、総支給金額の約20%。また、前年の所得によっても控除される金額は変わってきます。

歯科衛生士同士で話をした時に「私の給与ってかなり低いんじゃ・・・?」と思われるケースは、この間違った形で比較しているパターンが多いです。

まとめ

 

・地域の新卒給与を調べる
・経験年数×5,000円を目安に月収目安を出す
・賞与は基本給2〜3ヶ月分/年。金額平均は40万〜80万/年程度
・手取り金額では計算しない。残業手当、通勤手当を除いて計算すること

いかがでしたでしょうか?

年収の比較はあくまでも就職活動のひとつの目安でしかありません。もし、現在の給与に不満がある方は、ぜひ一度、今の仕事内容と適正年収、現在の年収を比較してみてください。その3つを客観的に見ることによって、今いる職場を離れた方がいいのか、止まった方がいいのか考えてみてください。

もし、あなたが短期的な収入だけを考えているなら、とりあえず年収高いところを選び給与交渉して内定をもらうのが良いでしょう。ただ、長期での勤務できる環境を一番に望むのであれば、年収だけにこだわらず、仕事内容、診療内容、来院患者層、設備、今後のクリニックがどういったことを展開しようとしているのか、など目に見える条件だけでなく、働いている自分を想像しながら選ぶことの方が大事です。

 

 

 

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