【職場に疑問】ブラック歯科医院チェックリストと3つの行動

歯科衛生士
「今の勤めている歯科医院はブラックなんじゃないかと思ってて、退職を考えている」
「転職しても歯科医院はどこも同じなんじゃないか・・・。辞めてもいい基準があれば、知りたい。」

そう言った悩みにお応えしていきます。
✔️この記事の内容

ブラック歯科医院かどうかがわかるチェックリストを公開
「ブラック歯科医院なんじゃないか」と思った時にする3つの行動

歯科業界特化型エージェントとして、11年。歯科業界で1000名以上の求職者と面談し、1500件以上のクリニックを見てきました。
ちなみに私は、ブラック歯科医院を

「スタッフの将来について考えられておらず、自分や自分の大切な人の治療を任せられない歯科医院」

と定義しています。
世間で言う、「ブラック企業」は法律的にも人道的にも常識から外れているケースだと思いますので、私の定義とは多少異なります。
ただ、歯科衛生士の離職率の高さ医療という世間から求められているハードルを考え、あえて「ブラック歯科医院」と表現しました。

その「ブラック歯科医院」・・・

私の中では正直、

多い

と思っています。

ブラック歯科医院の特徴は、

クリニックのルールを極端に雇用者(歯科医院)側に有利にしている。そして、クリニック側は業務改善をせず、働くスタッフに改善ばかりを求めると言うところ。

もちろん、雇うのは歯科医院なので、その歯科医院がルールを作りそれに従うのが当然なのですが、雇用者に都合の良いように作られすぎなんじゃないかな、と思うことがあります。
ブラック歯科医院に勤めるとどうなるか。
仕事に疑問も感じてくるだろうし、何より歯科医院で働くことに将来性を感じなくなってしまうのではないかなと感じています。

そこで、今回は、「ブラック歯科医院チェックリスト」を作成しました。

今働いている職場に疑問を持たれているならぜひこのチェックリストを参考にしていただき、今後のとるべき行動を考えてください。
早速見ていきましょう
※この記事は5分ほどで読めます。

ブラック歯科医院のチェックリスト

その①就業規則がない
その②離職率が高い
その③院長のスタッフに対する言葉が強い
その④感染予防対策がしっかりしていない
その⑤教育制度が整っていない

その①就業規則がない

就業規則は、「会社の定める従業員が守るべき規則」です。
例えば、労働時間・給与・休暇・退職・懲戒解雇等についてのルールが定められています。ちなみに、歯科医院ではそもそもないケース、あるけど見たことがない、という方が多い。
法律上、10名以上(パートアルバイト含む)は作成・行政官庁へ届け出義務(労働基準法鯛9条)となるものの、10名未満であれば、届け出義務がない場合、作成していないケースがあります。ただ、従業員とのトラブルを避けるためには、必須ですし、今では開業前のクリニックですら作成してるケースが多くなっています。
就業時間の中からさらにチェックすべきポイントを見ていきましょう。

週あたり44時間勤務で計算をしている。

特別事業対象措置で常時10名未満の場合違法じゃないが、時給単価が他のクリニックより下がりますよね。しかも、そこからさらに残業するケースもあるので注意です。

歯科助手・受付の給与が最低賃金を下回っている

歯科衛生士は採用難易度が高く、給与設定など敏感にチェックしているクリニックは多いですが、採用難易度が低い歯科助手・受付の給与が更新されておらず、最低賃金を下回っているケースがあります。
ちなみに、大阪は最低賃金が964円。

【参考例】
月22日勤務・1日8時間
月176時間勤務になるため、
176時間×最低賃金964円=169664円

169664円を下回っていたら違法状態になりますので要チェックです。
(医院で決められている就業時間により変わるので、常勤の最低給与は変動する可能性があります)

有給の取得方法

有給休暇の半分はクリニックが指定するところを有給消化としているケース。
これは、計画的付与といってルール的には問題ないが、夏季休暇や冬季休暇を指定有給として消化させると規定するケースが多く、世間一般の休暇の感覚と離れている場合があります。
また、なるべく有給休暇を使用させないように、「有給を使用しなかったら、賞与で評価します」や「買い取ります(違法)」といった形のところもあるので注意が必要。

その②ネガティブな離職が多い

劣悪な労働環境で働くと当然ながら、従業員は離れていきます。また、こう言ったクリニックにありがちな採用の内定は「このクリニックに耐えられるかどうか」を基準にしている点。しかも、円満な退職の方が極端に少なく、「突然こなくなった」というケースが多いことが特徴。
ちなみに、女性の職場なので、結婚妊娠出産など止むを得ない理由で退職するケースは多いので、一概に「離職」が悪いわけではありません。実際に退職理由の第一位は「出産育児」13.7%2位が「結婚」12.0%。そのほかに「家庭の事情」6.6%と約31%はネガティブな離職をしているわけではないことが統計で出ています。どういった離職が多いのか、と言うのは確認する必要があります。
(引用:歯科衛生士の勤務実態調査(公益社団法人日本歯科衛生士会)

その③院長のスタッフに対する言葉が強い。

院長のスタッフに対する言葉がきつく、厳しい言葉が多いクリニックは院内の風通しがよくなく、働きづらい職場だと思います。
昨今、「ハラスメント」に対する問題意識がニュースで大きく取り上げられていますので、多くの院長は言葉選び、自身の行動に対して慎重になっています。
ブラック歯科医院の院長の行動の一例を上げていきます。

アシストに指示する時の口調がきつい
器具を渡しても「ありがとう」など一言がない。
器具の扱いが雑、器具やカルテを投げておく。

その④感染予防対策がしっかりしていない

患者さんへ安全な歯科治療を提供するのはもちろんですが、感染予防対策はスタッフへ安心を与えるものでもあります。この点を疎かにしてしているクリニックは要注意です。

【例】
グローブや滅菌パックなど使い捨ての物を使い回ししていないか
ハンドピースは滅菌が徹底されているのかどうか
グローブのままでPC入力などしていないか
感染予防対策のルールは決まっているかどうか

その⑤教育体制が整っていない。

長期で勤務してもらおうと考えいているクリニックは、新人スタッフのためにマニュアルや治療に関するルールブックなどがしっかりとできています。
「仕事をしながら覚えていくからマニュアルは特にない」と言うクリニックもあります。ただ、口伝えでの仕事を教えるとなると、教育担当の能力に左右され、新人スタッフのレベルがマチマチなってしまいます。また、新人スタッフは「何ができて何ができないのか」がわからず、「人によってやり方がちがう」という不安を漏らしています。

2.「ブラックじゃないか?」と思った時にあなたがとるべき3つの行動


「うちのクリニックってブラックじゃないの?」
と思ったら、あなたが取るべき行動は3つです。

やめる ・ 我慢する ・ 交渉する

辞める

今すぐに、新しい職場に移るための行動を起こしましょう。求人サイトを見る、転職エージェントへ相談する、歯科医院へ見学へいくなど、すぐに行動を起こすことが必要です。
ちなみに、新卒歯科衛生士向けですが、良い求人先を見つけるための参考にぜひご覧ください。→【新卒必読】歯科衛生士の新卒が行くべき求人チェックポイント

我慢する

あなた自身が100点満点の従業員でないように、100点満点の職場はありません。違法行為は別として、クリニックのルールとあなたの働きやすい環境は相容れないことがありますので、受け入れ、自分の中で納得させる、と言うのも一つの正しい選択だと思います。

交渉する(話し合う)

一方的にあなたの意見を主張するのではなく、現行のルールも尊重するようにしましょう。院長が独断で決めた物ではなく、過去いたスタッフが決めたルールで、それが慣例になっているものもあります。また、法律的に問題なく、他のルールとバランスをとって決めているものもあります。
「私の意見が正しい」と主張するのではなく、「どう言った点が問題なのか」「法律や他のクッリニックで行っている取り組みを参考にしながら、どう言った妥協点が見出せるのか」を考えて話し合いましょう。

一番問題なのは、一人で悩んでしまって何も行動しないこと。悩んでいるだけでは何も解決しないですし、悩みが余計に深まり、ストレスがどんどんかかってくるでしょう。誰かに相談して客観的な意見を聞くことも良いでしょう。大事なのは、自分の中で答えをだし、納得すること。ぜひ、一歩踏み出してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
それではまとめます。
✔️まとめ

・就業規則をチェック。給与・勤務時間・休みのルールをチェック
・離職率が高いところは「耐えられるかどうか」を内定基準にしている
・使い回しや感染予防に対する意識をしっかり確認
・ブラックだと思ったら即行動。「辞める・我慢する・交渉する」のどれか

歯科医院は中小企業がほとんどで、80%以上は個人企業です。しっかりとした組織になっているわけではなく、不十分な点が多いのが現実です。今はブラックでも、これからを見据え、一歩ずつより良い職場作りをしようとする姿勢が見えるところもあります。先ほど挙げたブラック歯科医院のチェックリストに1つでも当てはまるからと言って「退職したほうがいい」ということではありません。
何より、自分自身がより良い環境にしようとクリニックと一緒になって努力しようと思えるかどうかが大事。
ぜひ、あなたの職場がどういったところなのかチェックしてみてはいかがでしょうか?

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