【地域密着型小規模歯科医院】合う歯科衛生士、合わない歯科衛生士

前回、歯科医院は4つの方向性を目指しているとお伝えしました。

①地域密着型小規模歯科医院
②専門性に特化した小〜中規模医院
③分院展開型
④一店舗拡大型

それぞれの方向性ごとに求める歯科衛生士像が変わってきます。

今回は①地域密着型小規模歯科医院について詳しくみていきましょう。

前回の内容を確認したい方はこちら

【これだけ】歯科衛生士の新卒向け・歯科医院の方向性と自分のなりたい姿を一致させそう!

【地域密着型小規模歯科医院】

 

イメージ概要

スタッフ人数
ドクター1名(院長のみ)・スタッフ5名未満

チェア台数
チェア4台未満

年商〜6000万円

歯科医院の中で、一般的な規模です。

歯科医院の平均年商(年間売上)は約5000万円と言われています。

ちなみに、中規模から大規模医院の目安は1億円以上と言われていますが、全体の約8%くらい。

ですので、全国的に一番多いクリニックの形かと思います。

 

地域密着型小規模歯科医院のクリニックの考え

・効率的なクリニック運営。
・コストに関する意識が高い。
・保険診療中心、予防歯科をベース。

「少数精鋭」と言う言葉がぴったりかだと思いますが、適正人数、適正配置でクリニックを運営しています。

スタッフ採用についても余剰人員を採用することなく、「欠員がわかってから採用を検討する」という方針になります。

コスト面についてですがどのクリニックも「ムダ」はなくしていく必要はあります。その中でも、より意識を高く持ってもらいたいと考えているのが、小規模歯科医院の院長の本音でしょう。ムダが出てくると、その分クリニックの利益に大きく影響していきますので、あなたの給与や賞与に大きく響いてくる可能性があります。

診療の基本ベースである、保険診療が中心治療終了後に、歯科衛生士による数ヶ月に1回メインテナンスを受けていただき、定期管理をしていく方針です。地域の患者さんに「歯のことで困ったらココ」と思ってもらえるためには、来院の敷居を低くし、地域の患者さんが世代関係なくきていただくようにしています。そのため、土曜の診療や18時以降の診療など、平日に来院できない患者さんにも配慮した診療時間の設定になっています。

 

地域密着型小規模歯科医院の来院患者さんの認知経路・特徴

・クチコミが多い
・院長に患者さんが就いている
・幅広い年齢層

インターネットや看板広告など積極的な広告活動、というよりは来院している患者さんからクチコミで広がっているクリニックが多いです。
「○○クリニック院長は丁寧だよ」「全然痛くないんだよ」など、院長の技術や人柄を通して患者さんが来院しているイメージですね。

また、地域密着型なので、小さなお子さんからお年寄りまで幅広い年齢層をターゲットにしています。ですので、診療時間によって来院患者層が変わってきます。「午前中はおじいちゃんおばあちゃん、午後からは子供、18時以降はサラリーマン、OL」などです。特にこの規模のクリニックは夕方以降、土日のアポイントが詰まっている傾向にあります。

 

地域密着型小規模歯科医院のその他の話

・規則やマニュアルはなし。
・スタッフの意見が通りやすい
・開院まもないクリニックは数年で変化も

少人数のため、規則やルールと言うのは、書面というより「各個人の感覚に任せる」といった形です。そのため、自分ではOKと思っていても、他のスタッフ、院長からは「ダメ」と言われるケースも。特に問題になるのは、髪の毛の色、ネイル、有給取得方法、急な欠勤についての有給使用にちて、などです。事前に問題になりそうな点はしっかり確認をしておきましょう。

逆に規則やルールがしっかり決まっていないからこそ、スタッフの意見でクリニックのルールがその時に応じて変わっていく、ということが多くあります。例えば、使いたい材料などは院長と相談し、すぐに導入することもできます。院長とスタッフの距離が近いので、スピード感がとてもありますよね。

ちなみに、注意していただきたい点が1点。
5〜10年ほど経過しているクリニックは、スタイルが確立しつつあるので、これから現在の状況を維持していく方向になります。逆に、開院して数年のクリニックは来院患者数が多くなったり、設備投資の関係から、数年で大きく変化する可能性もあります。その点も就職のする時には考えていた方がいいですね。クリニックの成長とともに自分がやるべきことがどんどん変わる可能性があります。

 

地域密着型小規模歯科医院はどういう目標を設定している衛生士が合うのか。

・いろいろなポジションがやりたい方
・メンテナンス・アシストをバランスよくやりたい。
・あまり考えずにどんどん仕事をこなすことが好きな方
・座学より実践。やりながら覚えていきたい方
・スキルはなくてもコミュニケーションでカバーできる方

「少数精鋭」を考えているため、衛生士もアシスタントも複数ポジションをこなしてもらうことになります。歯科衛生士は衛生士業務とアシスタント業務の並行はもちろん、電話応対、受付対応についても一部できるようになる必要があるでしょう。「いろいろなことができるようになりたい」と思うなら、バランスよくできるこのタイプのクリニックは良いでしょう。

また、忙しい時間に患者さんが集中しますので、どんどん仕事をこなしていくことというのが好きな方には向いてていると思います。ちなみに、患者さんとの距離感が近いのでスキルに不安があっても、コミュニケーションでカバーすることができます。「上手にできる」より「あなたなら信用できる」といった安心感がダイレクトに伝わってくるので、そういった感覚で働きたい人に向いています。

 

地域密着型小規模歯科医院はこういう希望がある歯科衛生士には合わない。

・メンテナンス中心で完全担当
・Tek作成、アシストなど歯科衛生士業務以外のことはできるだけしたくない
・1から丁寧に教えて欲しい。
・重度の歯周病患者さんへのSRPなど高度な症例を治せるようになりたい。
・歯周病の認定資格が取りたい。

複数ポジションを任される観点から、完全な担当制というのはしていないクリニックが多くなります。

「教育面」で大きな違いが出てきます。

マニュアルに沿って、1から丁寧に、担当が教えてくれる、というよりは、仕事を通して実践からどんどん学んでいく、といった形になるでしょう。

診療も専門的にというよりは、幅広く対応できるように、というスタンスなので、埋伏抜歯や矯正、重度の歯周病患者さんについては、専門機関へ紹介する、といったケースが多くなります。

よく新卒の方で「歯周病の認定資格が取りたい」といった質問があります。

認定資格は概ね3〜5年の歯科衛生士歴と規格に基づいた症例が必要になります。どのクリニックでも症例を集めることができますが、協力できる体制にあるかどうか、が大事になってきます。少人数だと日々の診療に追われているため、どうやって他のスタッフの協力を得るかどうかが問題になってくるでしょう。実際のところ、この規模で認定資格を取得している方はとても少ないかと思います。

動画でも簡単に解説していますので、こちらもご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

それではまとめていきます。

・地域の幅広い年齢層の方が来院する
・向いている方→少数精鋭のため、複数の職種を兼任で実践派の方
・向いていない方→丁寧に教育して欲しい。歯周病の認定資格などを目指すのはハードルが高い。

次回は、専門性に特化した小〜中規模医院について説明していきます。

 

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