【2023年新卒向け】歯科衛生士の初任給と新卒の給与交渉方法解説


新卒歯科衛生士

「面接を考えている求人先があるけど、求人票に書いている給与が他の相場と合っているかどうか知りたい」

「できるだけ給与が高いところに行きたいけど、働きにくいクリニックだったら嫌だな」

「新卒でも給与交渉できるの?」

 

そんな疑問にお応えしていきたいと思います。

 

✔️今回の記事の内容

歯科衛生士の新卒初任給がわかる。
給与が高くても良いクリニックを選ぶ方法
新卒歯科衛生士ができる給与交渉方法

給与は新卒ベテラン関係なく、とても大事な話。

「給与は高ければ高い方がいい」「もらえるものはもらっておきたい」

というのも十分わかります。

ただ、「給与」だけ見ていては、選択肢が狭くなるし、何よりあなたに合うクリニックが見つかりません。

大事なのは、その職場の雰囲気、仕事内容、教育環境など総合して「納得感があるかどうか」ということ。

そのためには、あなたなりの給与に関する目安を持っておかなければいけません。

今回、厚生労働省のデータと、私の11年間の経験をもとに、最新の給与新卒向けの「お金事情」についてわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

また、今回は、新卒歯科衛生士を対象とした給与の話になります。

経験者(転職希望者)については、【転職者必見】歯科衛生士の適正年収の調べ方

で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてください。

早速みていきましょう。

歯科衛生士の初任給

歯科衛生士の初任給平均は219,300円(令和元年)

令和元年の厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、歯科衛生士の初任給の平均は219,300円(令和元年)。

ちなみに、学歴別の初任給のデータがあるので調べてみましょう。

歯科衛生士のほとんどが女性なので、女性のデータで比較してみます。

【学歴別にみた初任給(女性)令和元年】

大学院修士課程修了 238.300円
大 学 卒 206.900円
高 専 ・ 短 大 卒 183.400円
高 校 卒 164.600円

このデータと比較すると、大卒者と大学院卒の方の間、くらいの給与になりますね。

なぜこれだけ給与が高いのか、ぜひ知っておいてください。理由は3つあります。

①国家資格だから
②有効求人倍率が高いから
③ベテランも新人も全く同じ売上の貢献度合いが同じになるから

①国家資格だから

当たり前ですが、歯科衛生士業務は誰にでもできるわけではありません。

歯科衛生士は、歯周病初期治療やメインテナンスによって診療報酬(売上)をもらうことができます。

一般企業でも、会社内の業務を円滑に進めるためのいわゆる事務職の方より実際に交渉や商談、売上に直接関わる仕事をしている営業の方の方が給与が高いですよね。

②有効求人倍率が高いから

現在の歯科衛生士の有効求人倍率は10〜20倍と言われています。

ちなみに、厚生労働省が発表した全職種の有効求人倍率は過去最高が1.64倍(2018年9月)

かなりかなり差がありますよね。

需要と供給のバランスがかなり崩れているといってもいいでしょう。

レア商品になればなるほどどんどん価値が上がっていくのと同じ。

歯科衛生士にはそういった実情があります。

③ベテランも新人も全く同じ売上の貢献度合いが同じになるから

例えば美容師なら、カットするスタイリストによって「指名料」「カット料金」などが変わります。当たり前ですが、ベテランや人気スタイリストになれば金額があげっていきます。

歯科衛生士は保険診療であればベテラン、新人全く関係ありません。

スケーリング(3分の1顎につき)68点はベテラン新人関係なく同じ点数なんです。

だから、患者さんをある程度任せられるようになれば、十分クリニックに貢献できる、と言うことなんです

地域格差あり

219300円という数字は全国の平均給与のデータなので、地域によって格差が出てきます。

東京・神奈の関東圏は最も高く、続いて大阪などの関西圏。低いのは、徳島、高知、沖縄。といったところでしょう。

いろんな地域の応募条件を見ていますが、応募条件だけ見ると、

最大で10万円くらい差があります。

「一人暮らしで家賃を払っても、都会の方が手取りが高い」

と言われることともありますが、

給与は地域によってかなり差が出るのが現状ですね。

昇給・賞与のカラクリ

クリニックとしては、歯科衛生士不足のクリニックがほとんどなので、「なんとかして採用したい」「少しでも良い応募条件だと思われるようにしたい」という思いがあります。

そうなると、求人票の「見栄え」をよくしようとします。

「見栄えを良くする」例とすれば、

「残業手当を含め総合計給与を表示する」

「予定されている昇給や賞与額を低くして月給に含ませる」

「残業手当を含め総合計給与を表示する」

固定残業手当として支給しているところがありますが、これは、例えば10時間含まれているとすると、10時1時間で残業が終わったとしても、10時間支払われるということです。

「10時間超えた分はどうなるの?」と言われることがありますが、

これは「10時間以上超えた場合は、超過分も支給されることになります」のでご安心ください。

「予定されている昇給や賞与支給額を低くし、月給に含ませている」

たとえば、24万円月給・賞与は50万円の支給を考えていた場合、月給20万円ではなかなか歯科衛生士の応募が来ないので、25万円月給にし38万円を支給予定額とするということ。

どの応募サイトにも賞与金額を細かく掲載する必要はありませんので、クリニック側は内部で支給を調整しているケースがあります。これについては、なかなか確認は難しいですが、月給が高いと賞与で調整している可能性がある、ということを覚えておいてください。

中には、賞与がなく、年俸制にしているところもあります。年俸制とは、賞与を年2回支払うのではなく、し月賞与も年12回払いで月給に含めた形で支給する、ということです。

例えば、月給24万円で賞与が年50万円の場合、

24万円×12ヶ月+50万円=338万円
年俸338万円÷12ヶ月=約281,000円
約281,000円が月の支払い金額になります。

詳しく書いてくれていればいいですが、この点をあやふやにして提示しているクリニックおあります。

また、年俸制は賞与がないですが。「特別賞与支給」とか「決算賞与支給」などして、不確定な賞与をあたかも通常支給するように掲載している場合があるので注意です。

月給も大事ですが、賞与や残業など細かいところもチェックしていきましょう。

引用:厚生労働省:賃金構造基本統計調査

給与が高くても良いクリニックを選ぶ方法

給与が高い理由がある・理由を考えよう。

「退職者がいっぱいで人手が足らないから」という理由だけではありません。給与が高いクリニックは理由があります。

①日曜診療・深夜診療など他のクリニックと違う勤務体系
②単純に人が来ない

日曜診療をしていたり深夜診療をしているクリニックは別の考え方をするとメリットも

求職者から人気がなくなってしまう条件に、「日曜診療」「深夜診療」「年中無休診療」があります。

時間が遅かったり変則的なので、求職者から敬遠されがちですが、こういったクリニックも労働基準法の中で働く時間が決まっているので、19時ごろの終わるクリニック、土日休みのクリニックと同じ労働時間になります。

さらに、人気が出にくいこともあり、より条件をよくしているケースがあります。

例えば、

①週休3日制(中には週休4日制のところも)
②年間休日160日
③夏季休暇、冬季休暇を自由に取得できる

など、

待遇としてかなり良くしている傾向にあります。

こういったメリットにも目を向けて選ぶようにしましょう。

 

単純に人がこない

先ほども言ったように、求人は10〜20倍。アクセスが良く、人気の都心部でもなかなか採用がしにくい、という現状があります。どれだけしっかりしたクリニックの環境を整えたとしても面接でしっかり話を聞いて、選ぶようにしましょう。

 

給与が高くても低くても選ぶポイントは「自分に合っているかどうか」

ネガティブな理由で辞める方の多くは、

①院長スタッフと人間的に合わない
②職場に居場所が作れない
③仕事内容(治療内容・方針)が納得できない

退職する理由はほとんどが応募条件面以外のところ。

条件だけで選ぶのではなく、応募背景や面接見学で自分に合っているクリニックを選ぶことだ大事です。

どんな求人を選んだらいいかわからない方向けに記事を書いていますので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:【新卒必読】歯科衛生士の新卒が行くべき求人チェックポイント

新卒歯科衛生士ができる給与交渉方法

他に見学しているクリニックと比較し交渉

他に見学しているクリニックや採用をもらっているクリニックの求人条件を話すことで条件を考慮してくれることがあります。

一般的に、給与は能力や期待値に比例するので、よほど特別な経験をした方でない限り、能力で給与交渉することは難しいはず。ただ、あなたを採用したい!と思えば、多少給与を変更してでも欲しいと思うでしょう。

一人暮らしをしている場合は家賃補助の交渉

一人暮らしをしている方は家賃補助を交渉することがお勧め。

クリニックからすると、交通費を支払うことと、家賃手当を支払うこと、どちらも「同じ支出」になります。

「徒歩自転車圏内に住居を構えたい」という旨を伝えましょう。クリニック側から住宅手当ての話をしてくれるかもしれません。

一人暮らしを考えているけどお金が足りるかどうか不安、という方に記事を書いていますので、ぜひ参考にして下さい。

参考記事:【地方から就職】新卒歯科衛生士が大阪で一人暮らしできるのか

新卒の場合はあまり給与交渉はオススメしません

新卒の方の給与交渉はオススメしません。

給与の交渉・UPは能力とそれに伴う期待値。新卒には基本的にありません。言葉を選びながら、丁寧に話をしないと「何もできないくせに、給与だけでえらんでるんだな」と思われてしまうので注意です。

また、人員が安定しているクリニックほど、給与交渉することはむずかしいでしょう。あなたがどれだけ優秀な人材でも今いるスタッフと給与でトラブルになりそうなことはないでしょう。人員が安定しているクリニックは今いるスタッフと新しいスタッフの調和を大切にしています。さらに、給与規定が決まっているためそもそも給与を変更することができないことがあります。交渉できそうなクリニックなのかどうか確認をしましょう。

就職エージェントへ交渉代行してもらえれば良い印象を崩さずに交渉できる

自分で交渉はできないが、できれば交渉したい、という方はぜひ就職エージェントへ交渉代行をしてもらうことをオススメします。

理由は以下の2点です。

①就職エージェントは交渉できるできないを肌感覚でわかっている
②第三者の交渉なので交渉理由など感情的にならず精査してもらえる。

 

一般的な給与相場と離れている場合や奨学金を借りているため返済のため給与が高いところに行かないといけない、など就職エージェントがあなたに変わって代弁してくれます。また、面接対策や履歴書添削、面接検索先の選定サポートも完全無料で行っているので安心です。

ただし、担当エージェント次第によって結果は大きく異なります。希望して言えるクリニックと就職エージェントとの距離感やどれだけ交渉をした経験があるかどうかにより大きく結果はかわります。また、担当者との相性などもありますので、ご自身に合ったエージェントを探すのが良いでしょう。

 

どのクリニックへ面接に行ったらいいか迷ったらこちらの動画をご覧ください。

まとめ

・歯科衛生士の初任給平均は219300円
・初任給には地域格差がある
・からくりに注意
・交渉するなら、他に見学にいているクリニックの求人と比較
・自分だけで交渉はオススメしない。するなら、就職エージェントを間に入れること

 

いかがでしたでしょうか?

給与は大事なポイントですが、あくまでも入社を決定する一要因でしかありません。
給与だけにこだわらず、仕事内容や一緒に働く人など条件面以外のところを大切に見ていきましょう。

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